東京難民(福澤徹三著):原作本を読んでの感想(ネタバレあり)

東京難民

 


「東京難民」(福澤徹三著)、読み終わりました。

もともとこの本を知ったのは、「ダ・ヴィンチ」という雑誌から。

あらすじに惹かれて購入しました。

私は原作から入りましたが、どうやら映画化もされているようですね。

確かにそれだけの読み応えはありました。

 

それでは以下感想です。

 

まず修について、彼は非常にタフだなあと思いました。

生活のためとはいえ、よくもまああれほど仕事を探しに行けるなと。

他の人の感想で修は優柔不断、自分ならもっと節約できた。

などのコメントもありましたが、

それにはあまり賛同できません。

 

お金が減るということ。

それも生活に支障が出る水準まで追い込まれると、

人って逆に動けなくなると思うのです。

よく貧しい人達に対して、仕事は選ばなければある。

という意見を聞きます。

それも事実ではあると思います。

しかし生活が追い込まれると、

そもそも仕事を探す気力すらなくなるのではないでしょうか。

かつての自分の学生時代の経験を踏まえると、

ついそう考えてしまいます。

 

その一方、修は失敗しては何度も挑戦しています。

よくもまあそれだけ足が動くなと。

ときどきパチンコや酒に手を出すなど、

自制できていない場面も確かに多々あります。

ただあの状況下では、ストレスを発散させなければ、

とてもじゃないがやっていられないでしょう。

 

というように、修の評価は賛否両論ある一方で、

私はかなりの修支持派です笑

 

続いて気になった人物について。

 

・張(チャン)

→修と留置場で一緒だった中国人。

「まさか、こんなところで逢うなんて――」

まさしく。

 

まさかあのタイミングで再登場するとは思いませんでしたが、

やはり借りを返す行為はいいものですね。

ただ順矢は助けられない・・

現実的なもどかしさを醸し出す一方、良い描写だったと思います。

 

・順矢

→ホストクラブで出会った元従業員。後に修と親友になったものの。

「やっぱ、汗を流したあとの飯はうめえな」

現場で働いた後の順矢の言葉。うん、これはその通り。

 

やはり色々言われているのが、順矢はあの後どうなったかということ。

篤志が修へ「頭を使うんだ。おれのようにな」と言ったが、

あれは順矢へ伝わらないとどうしようもないのではと、

少し思ったのも事実。

ただ、修との日雇い仕事に精を出す順矢を見る限り、

篤志のような人間にはならないと思うが。

 

・篤志

→ホストクラブ「トワイライト」の総支配人

「頭を使うんだ。おれのようにな」

修は絶句したまま、篤志のうしろ姿を見送った。

私も絶句しました。

 

上でも既に述べましたが、

篤志も同じ境遇を経験していた点は驚きでした。

人を助ける⇔人を押しのけてでも上へという対比構造で、

修と対照的な存在であることが際立った篤志。

冷酷な印象も強かったと思います。

しかし修に「期待していた。」と声をかけたところや、

最後の「頭を使うんだ。」という台詞からも、

完全に冷酷な人間ではあるとは言い難い。

こうした垣間見える人間性からか、

個人的にお気に入りの登場人物。

 

 

物語をまとめて振り返ると、

修の成長過程が一つの見どころだったかなと。

 

今回福澤徹三さんの本は初めてだったのですが、

どうやらハマってしまったようです笑

今は同作者の「すじぼり」という本を読んでいます。

まだ途中ですが、これもまた面白い!

読書後はまた感想を書きたいところです。

それでは、以上感想でした!

 


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