【感想】すじぼり(福澤徹三著)<ネタバレあり>

東京難民から福澤さんの本にはまり、続いてはこの作品。
前作主人公の修と、今作主人公である亮の特徴が似ていたせいか、
読み始めはなんだか不思議な気分でした笑

しかし今作は一貫して極道の話。
目まぐるしい流れで多くの人が死にます。

それでは以下印象的だったシーンです。

【松原くんの死】

個人的に一番ショックだったのは松原くんの死でした。
素直で亮を助けてくれたりと、本当にいい子だったのに・・

「噛み締めた奥歯が、ぎりぎり鳴った。はじめて本気でひとを殺したいと思った。」

松原くんを殺害した兵藤と、亮が向き合っている場面。
亮へ強い共感です。
そして尾崎さんが兵藤へ突き刺す!
尾崎さん、やってくれました!
(ちなみにこのドスを刺すシーン、武石の言葉通りの刺し方でしたね。
「ドスを腹からみぞおちに突き挙げて、そのまま刃をねじれ。」といように。)

仇討が果たされた松原くんでしたが、
正直こんないい子が本当にヤクザ??と思うところもたびたび。
色々な意味で、ヤクザの世界は不思議なものです。

【武石と速水の安心感】

少なくとも最後のシーンまではそう感じていました。
例えば2つのシーン。

・金光が亮をカタにはめようとした時
→「なんか、その契約書いうんは」武石はいって、露骨にぼくの手元を覗きこんだ。
⇒ナイスだ武石!そして反町さんも!

・西脇と根本が亮を襲おうとした時
→「それじゃあ、みんなでドライブにいくかな」速水は白い歯を見せて笑った。
この恐ろしいけど頼れるという謎の気持ち笑
もっとも松原くんのヘルプのおかげでもありますが。

しかし武石も速水も・・

【反町の拷問】

突如気がふれてしまった反町さん。
物語前半で触れられて一度姿を消しましたが、
後半の拷問シーンで詳細が判明。

それは悪魔のような拷問屋が登場した時のこと。
亮に話していた拷問を反町さんが受けたと思うと、
まさに、「はらわたが焼け爛れるような憤り」を感じました。

拷問屋のシーンでは、

「わしに嘘をつきおった。わしに嘘をつきおった」
老人が唄うようにつぶやきながら、工具箱を探っている。

という描写が、奴らの異常さを良く表していると思いました。
本当に歯止めが効かないというか。これまた恐ろしい・・

【和也の最後】

急にヤクザの道に進んでいた和也ですが、
なんだかんだ亮を何度も救っていましたよね?
その意味ではいい奴だったのではないでしょうか。
それだけに彼の最後が気になる。
あの状況だと、殺されてもおかしくない状況でしたし。

【突然の翔平】

ちょっと思い出したかのように、突然現れた翔平。
関係が薄くなっている時に助けてと言われて、
あのように駆けつけられるのだろうか。
友情パワーのおかでしょうか笑
少しここは唐突に感じました。

【亮について】

ヤクザから離れられなくなる亮でしたが、
あの人間関係を見ていると、
気持ちはわからなくないという気もします。
やっていること云々ではなく、
速水総業の人達の魅力に惹かれるという意味で。

【総評】

最後はそれほど嫌な終わり方ではなかったと思いましたが、
皆さんはどうだったでしょうか。

個人的には「東京難民」を直前に見ていたせいで、
主人公がどうしても重なって見えてしまいました笑

未読の方もいるので詳しくは書きませんが、
東京難民の主人公である修も、
何かの拍子で亮と同じ道を歩いていたかと思うと、
頭がぼーっとします。
人の人生って、ほんの少しで大きく変わるんだなと。

 

さて報告ですが、このブログを書き終える前に、

実は福澤さんの本をさらにもう一冊読んでしまいました笑

タイトルは「ジューン・ブラッド」です。
こちらもまたヤクザもの。次は主人公がヤクザです。
これについてもまた感想を今後書く予定です。


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