【懐かしの思い出】選ばなかった冒険―光の石の伝説―(岡田淳著)

選ばなかった冒険―光の石の伝説 (偕成社ワンダーランド (17))

子どもの頃に本屋で買った本です。
初めてでした。
あれだけの衝動買いをしたのは。
「RPGの世界に迷い込んでしまう話」
この一言に心を掴まれたのです。

当時はドラゴンクエストに夢中で、
自分もゲームの世界に入りたいなと
考えたりしていたこともありました(笑)
そんな時にこの本を見つけたのだから、
衝動買いも仕方ないだろうと、今では思います(笑)

さて、先にドラクエと言ったものの、
実はこの作品、結構暗い話も含んでいたりします。

そこが当時の僕には印象的でした。

 

ゲームの世界に気付けば入った学とあかりは、
暗い校舎の中をおそるおそる進みます。
急に誰の声も聞こえなくなった校舎。
突然攻撃してくるイガ―。
パターン化された保健の三浦先生。
拳銃を構えた、けものの顔をした兵士。
雰囲気はワクワクどころではありません。
どこか不気味で緊迫した展開です。

個人的に暗くなって永遠と続く校舎は、
想像してぞくっとしたものでした。
また、決まったことしか喋らないという人間と、
いざ直面するのは怖いものですね。
自分でゲームをするならそれは当然のことですが、
それが現実で起きると考えると・・
いやあ、本当に学とあかりは1人じゃなくて
2人でいて良かったですね。
息を呑んでページをめくります。
すると、ここで勇太とバトルと出会います。
学とあかりはここで初めて、現実世界の人間と会うわけです。
そして2人はバトルの訓練に取り組みます。
なんのための訓練か?
もちろん、死から自分を守るためです。

重い・・

ただこの重さこそ、場面の空気を引き締め、
読者を物語りへ引き込むのでしょう。

この世界では眠ると現実の世界に戻ることができます。
それにしても、本当に学はあかりと一緒にいて良かった。
そうじゃなきゃメンタル保てないですよ。

物語が進むと、仲間にメルともぐら男が加わります。
そして途中、学、あかり、もぐら男は一時、勇太達と離れ離れになります。

勇太の安否を気にして、現実世界で学は勇太に声をかけます。

「勇太。」
学が小声でよぶと、勇太は「え?」という顔をして、学を見、
そのあとふしぎそうに学の背後を目でさがした。

このシーンです。
今でもこのシーンははっきり覚えています。

勇太が死んだ・・
確かに現実では彼は生きています。
しかしなんでしょう?
この切ない気持ちは・・
短い間でしたが、一緒に過ごした記憶がなくなるというのは悲しいものです。
そしてある種の死を、間近で見る恐怖。
次は自分かもしれない。
学は大きなショックを受けます。
ここから話は一気にクライマックスへ。
学たちは、光の石の儀式が行われる大広間に入り込みます。
しかし、そこであかりが王に捕まってしまいます。

学は懸命に交渉します。
あかりをはなせと。

王もそれに同意します。

そして
あかりの解放を求める学。

すると、
「命令されるのは好きではない。」
ひびく銃声。

えっ!?

撃った!?
まさか・・・

衝撃でした。
まさか本当に撃つとは思わなかったのです。
徐々に意識が薄くなる学。

あかりが動きます。
なんと王の胸にナイフをつきたてたのです!

そして光の石に願いごとを。
「光の石、消えてなくなれ!」

 
2人は教室にいました。

 

「おぼえてる・・・?」と
学にふるえる声で尋ねるあかり。

「おぼえてる・・・」と返す学。

本当に。本当に良かった!

当時は私も思わず震えました。
先に勇太の件があったからこそよぎる恐怖。
ただ、学は記憶を失っていませんでした。

そして、物語は締めくくられます。

 
さて、みなさんはいかがだったでしょうか?
私はこの作品から、岡田淳さんの作品にどっぷりハマりました。
他にも「2分間の冒険」など、どれもまた面白い!

それにしても「選ばなかった冒険」
児童書という括りで、大きく挑戦してきましたね(笑)
内容は確かに少し重い箇所もあります。
しかし私としては、そこがむしろ良いのではと思います。
本当の冒険というのは、こうした恐怖も伴うもの。
それがあって、物語もまた映えるのかなと。

いやあ、本当にこの本を見つけて良かった。

 


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